岩渕さん(S61英米文)の取組むテーマを取材・参加しました。
フルタイムではないのだから、2024年は新しいボランティアに参加してみようと考えておりました。
この3年で始めたランダムな校友の集い。たまたま隣に座った方が取り組んでいる標題について、何かのお役に立つのかなと昨日取材を兼ねて参加させていただきました。
初めてお会いする中年の男女が12名ほど。呼んでほしい自分の名前をひらがなで書いて首から下げるのが最初の作業でした。自己紹介を1分、その後2名一組で対話が5分づつ。テーマは特になし。
いったい何を話せばよいのか。対面する相手はただ聞くだけに専念して質問はもちろん合いの手も禁止。うなづくだけのルールでした。はじめは正直ちょっと苦痛。これを3人一組、また2人と繰り返していきます。
徐々に○○さんのこの話に共感したとか近い考えを持っているなどと対話する関係が進んでいくので人間ってうまくできているなと思い始めました。それぞれに悩みや課題を抱えておられながら、率直で知的な集団だなと感じました。コーヒータイムをはさんで正味2時間半、時間が経つのが早いと感じました。2人あるいは3人が沈黙したならそれはそれで良い。無理して言葉をつがなくても良い、という進め方も新鮮でした。
今まで校友の集いでは、盛り上げようとべらべら喋っていたなぁ。はき違えていたのかなぁと。
仕事においては結論が出ない打合せは、無意味とされることが多いですし、そう訓練されてきました。オープンダイアローグでは、答えを出すことが目的ではありません。むしろ、逆なのですね。
オープンダイアローグでは、参加者全員が尊重される平等で自由な「空気」をつくり出し、何かを決定するのではなく、対話の継続それ自体が目的であるような運営がなされるのです。
引用:斎藤環(2015)『オープンダイアローグとは何か』医学書院
「相手の話を聞くなんて当たり前のことだよ」と思うかも知れませんが、相手の話を聞くというのは案外難しいものなのでしょう。 なんだかんだ言ってみんな話したい。自分の話をしたいですし、聞いて欲しいのです。そう言えばお会いしたい人は聞いてくれる人。すぐ自分の意見や頭ごなしに結論じみたことを言う人は避けていますね。相手が話したいことを聞いて理解し、共感すること。
それが良い人間関係を築いていくコツなのだと子供のように感心して帰りました。
オープンダイアローグ(英語: Open Dialogue)とは、統合失調症に対する治療的介入の手法で、フィンランドの西ラップランド地方に位置するケロプダス病院のファミリー・セラピストを中心に、1980年代から実践されているものである。「開かれた対話」と訳される。統合失調症、うつ病、引きこもりなどの治療に大きな成果をあげており、発達障害の治療法としても期待されている。
現在統合失調症等の精神疾患に限らず会社、組織、家族等あらゆる場面において個々の生き方やその環境に置いての過ごし方をスムーズにする目的で利用され始めている。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
広報 石井
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