こんにちは、H5卒の伊藤です。
皆さんは、普段当たり前に日本語をしゃべり読み書いていらっしゃいますね。
校友の方々の中には英語や他言語に堪能で日本語と同じくらい使いこなせる方も多いと思いますが、私などはコミュニケーションをとるのに使うのはもっぱら日本語です。
遠い昔、中学校あたりで文法を習った記憶はあるけれど、母語としての日本語を使うのにいちいち文法や使い方を気にすることはまれですよね。
しかし、あらためて客観的に日本語を見つめてみると、存外面白いものです。
今日は、そんな日本語についてのお話です。
とはいえ、教科書みたいな説明では退屈なのでとりあえずクイズです。
♪ジャジャン♪仲間外れ問題です。次の選択肢のうち、構造、意味、用途などで一つだけ違うものがあります。どれでしょう?
1 「~ことにする」の用法
a旅行はキャンセルすることにした
b風邪をひいたことにして会社を休もう
c埼玉に引っ越すことにした
d節約のため自炊することにした
e昼ご飯を食べることにして外に出た
2 「の」の用法
a出身地の大阪
b同級生の山下君
c首都の東京
d妹の桂子
e本社の田中さん
3 「タ」の解釈
a小さなカバンに入れたらノートが曲がった
bここにお店があった
c昨日の台風で庭の木が折れた
d運動会が中止になった
e春になって雪が解けた
4 複合要素の統語的関係
a手書き
b砂遊び
c鉄板焼き
d沖釣り
e酒蒸し
5 数量詞+「は」
a毎日腹筋100回は無理だ
b彼の経歴からすると30歳は超えている
cこれなら一度に5つは食べられる
d会場は広くはないが50人は入れるだろう
eこのペースで走れば3時間は切るだろう
いかがでしたか?簡単な問題、ちょっとぶつぶつ言わないとピンとこない問題などあったでしょうか。では、答え合わせをしてみましょう
1:b bは事実と反すること、他は将来の行為に対する決意
2:e 他はn=n(大阪は出身地)となる、eは=にならない
3:b bは過去の事実。、他はもとの状態から変化した結果
4:d 手で書く、砂で遊ぶ、鉄板で焼く、沖で釣る、酒で蒸す に置き換えてみると
dは場所+動作、他は道具+動作
5:a aは到達できない数字、他は~以上
となります。母語ですから正解すること自体は難しくありませんが、このように文章にして答えの理由をみると、「ああ、たしかに」「言われてみれば、そうだな」と、ちょっと新鮮に感じたりしませんか?
これらの問題は日本語教育能力試験から拝借したものです(一部変えました)。
町田は近隣の市に比べ外国にルーツを持つ生活者はあまり多くないですが、これからもっと増えてくればいつお隣さんになるか、お友達になるかわかりません。そんなときのためにと日本語教師の資格をとりました。日本語学校の学生相手に教育実習をしたりフリートークをしたりもしましたが、自分の母語なのに、教えるのは想像以上に難しい。そして学生たちにとっても日本語習得は難しい。助詞とか敬語とか。文字の種類が多いので書くのも難しい。大変さが身に沁みました。
言語学や国語に全く興味ない方には退屈な話でしたかね・・・でも、日本語を外から眺めるとこんな感じなのねと、ふう~んと思っていただけたら、いつとは申せませんが懲りずに第2弾を投稿したいと思います。
では、これにて。
出典:日本語教育能力試験 平成23,24年度
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